中山和弘(聖路加国際大学)です。ヘルスリテラシー(health literacy )とは健康や医療の情報を入手し、理解し、評価して、意思決定 (2つ以上の選択肢から1つを選ぶこと)できる力です(健康を決める力と呼んでいます)。2014年の調査では、日本人のヘルスリテラシーは欧州8カ国やアジア6カ国と比べても低く、とくに評価して意思決定することに困難があることがわかりました。
そこで、2021年に調査を行い、情報の評価と意思決定が上手にできている人ほど、ヘルスリテラシーが高いことを確認しました。上手にできる方法とは、情報が信頼できるかを評価する5つのポイント「か・ち・も・な・い 」と情報に基づいて自分らしく決める4つのポイント「胸(腹)に『お・ち・た・か 』」を使うことです。しかし、「か・ち・も・な・い 」と「お・ち・た・か 」について小中高、大学、職場で学んだことがある人はそれぞれ5%ほどしかいませんでした。そのため、それぞれがどのようなものかについて動画で紹介することとしました。
「お・ち・た・か」は、患者中心の医療の方法として、患者と医師が協働(コラボレーション)して一緒に決めるシェアード・ディシジョン・メイキング (shared decision making、SDM、協働意思決定)でも不可欠なものです。その時、自分らしく決めるための意思決定ガイド(英語ではdecision aid ディシジョンエイド)を使うことも効果的です。支援する専門家による違いが生じにくく、選んだ理由や価値観が見える化され、家族や専門家チームで共有できます。世界ではたくさん開発されていて、最近では日本でも開発されたので、これらを紹介した動画も公開していきます。
大事なことを自分らしく決めてみると、その後の自分らしい人生につながっていくかもしれません。是非、動画へコメントをいただいたり、広くシェアしてもらえればありがたいです。学校、企業、病院などでお使いになりたい場合も、ご自由にどうぞ。
詳しくは、中山和弘『これからのヘルスリテラシー #健康を決める力』(講談社、2022)をご覧ください。
#かちもない #おちたか