はじめに
中国で「就労」するためには、中国就労ビザ(いわゆるマルチZビザ、中国語で工作類居留許可)が必要です。商務(貿易)ビザ(いわゆるMビザ)とノービザ渡航は、商用目的の滞在(いわゆる「出張」)が認められていますが、「就労」は認められていません。
「就労」と「商務」の相違点を1つ挙げると“現地法人から給与をもらっているかどうか”がポイントになります。厳密な分類ではありませんが、大雑把な理解としては中国で働いていても給与を日本や香港の会社からもらっていると「商務」になると言えます。ただし、いわゆる183日問題に抵触するとMビザやノービザ渡航でも納税義務が発生しますので、注意してください!
◆2017年4月に中国就労ビザの審査は厳しくなったのか?!
2017年4月以降に中国全土にて中国就労ビザ取得者がA類、B類、C類で区分されるようになり、且ついわゆるポイント制による申請方式が導入されたこともあり、中国就労ビザ申請が難しくなったと思われている方が少なくありません。結論から先に申し上げると一概に難しくなったと言えません。むしろ審査基準が従来よりも明確に公表されましたので、事前にある程度取得できるかどうかを予想しやすくなりました。従来も難易度が高い申請でしたが、現在でも中国就労ビザが取得しにくい方をご紹介すると下記の通りです!
・(24歳未満、又は)60歳以上の方
・学歴が四大卒未満の方
・勤務予定地が北京、上海、深セン及び広州等の中国国内の経済発展地域で、現地採用の方
・当該業務における職歴が2年未満の方
・中国就労ビザの交付を拒否されたことがある方
・中国就労ビザ以外の中国ビザ(例えば、Mビザ等)で就労したことがある方
・中国の勤務先が設立されたばかりの場合
・中国の勤務先がこれまで中国就労ビザを申請したことがない場合
おわりに
中国就労ビザの概要について理解されたい方は、「MUPN 中国就労ビザの基礎知識(改訂版)」を通読されることをお勧めします。